トピカと塩江
一般社団法人トピカは、塩江の住民と塩江町地域おこし協力隊が中心となって塩江の町おこしをするために立ち上げた団体です。塩江町は古くから阿波、讃岐の旅路の宿場町、温泉地として人々の生活を支えていた歴史があります。しかし、インフラの飛躍的な発展や観光の形の変化など、様々な要因によって産業は大きく衰退し、少子高齢化の町となってしまいました。私たちはそんな塩江に「過去の賑わいを取り戻す」ということを安易に選択せず、「小さくなっていくコミュニティの中にいかに幸福を作り出すか」という問いを立てました。一般社団法人トピカは大量の観光客に依存する経済ではなく、細々とながら幸福に地元住民が関われる共同体のあり方を模索していきます。

トピカってなに?
一般社団法人トピカは18世紀イタリアの哲学者、ジャンバッティスタ・ヴィーコの思想から語を借りて命名されました。ヴィーコは17-18世紀ヨーロッパで主流になりつつあったルネ・デカルトの哲学に疑義を呈した哲学者のひとりです。デカルトは科学的思考の出発点として、一切の不確かなものを排し、絶対的に確かなものから論理を開始することを訴えました。それに対してヴィーコは、デカルトの考えを受容しつつも、教育の段階では「経験に基づく不確かさ、真実らしく見えるもの」を大切にする考え方が、人間性の醸成に不可欠であると訴えました。この考え方を「トピカ」と呼びます。
「塩江を、様々な体験・出会いを通じて人々がその人間性を育む場所にしたい。そのために、誤りに見えるようなものであっても一度は受容して考え、感覚を共に養っていくような共同体を作りたい。」そんな願いから、一般社団法人トピカは誕生しました。
詳しい定義は、以下を参照ください。
ジャンバッティスタ・ヴィーコ,『学問の方法』
上村忠男,『ヴィーコの懐疑』
トピカが考える塩江の未来
トピカは10年先、20年先の塩江を考えて様々なプロジェクトを運営しています。私たちは塩江が、その土地に受け継がれる知識と技術に誇りをもって生きる住民と、それらを学びながら外の新しい目線を持った訪問者が訪れ、バランスよく交流する町にしていきたいと思っています。そのために、塩江の住民が「なんちゃない」と思っている生存の技法を掘り起こし、保存し、讃え、町の外に伝えていきます。また、一過性の観光客だけでなく、塩江に愛着を感じてくれる訪問者を呼び込む仕掛けを作ります。そして住民も訪問者もそれぞれの理想の塩江を語り合いながら、それらがうまく調和するひとつのコミュニティを目指します。




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アクセス
一般社団法人トピカ
〒761-1612 香川県高松市塩江町上西乙461 (旧上西小学校2F)
080-7736-1257
