【歴史が空間を占める意義】(ガソリンカー展満員御礼!)

 2021年11月14日、「ガソリンカー展 -記憶の軌跡-」が行われ、たくさんの人にきていただいて無事終了しました!8mの実寸大模型が、花屋旅館の跡地に立ち上がり、そのちょっぴり小さいスケール感を見せることには意義があったと実感した展示でした。

展示が間に合わず、お見せできぬまま逝かれてしまったおじいちゃんの遺影を大事そうに抱えてやってきてくださったおばあちゃん

「こんなにこまかったかのぅ?」と呟くように何度も何度もガソリンカーを見上げる、旧制中学の通学に塩江温泉鉄道を使っていたおじいちゃん

プラレールで自作ガソリンカーを作って持ってきてくれた小学生

前日の準備から撤去までずーっとボランティアで手伝ってくれた鉄道オタクの方

地元の歴史調査とアーカイブの参考事例にするために尋ねてくださった方

紅葉がてらぶらりと寄ってくれたたくさんの方たち

ガソリンカーに思い入れがある人も、知らなかった方も、往時の塩江の風景を車窓越しに垣間見ることができたのではないでしょうか。

 2018年に塩江美術館の学芸員、小田有紗さんと一緒に香川大学と香川高専に突撃依頼をしてから、地元の方、学生さんたち、鉄道オタクさんたちと歩んできた4年間。こんなに長く関わり続けてくれた学生さんたちの卒業に合わせて、ガソリンカー復元実行委員会は一旦小休止となります。

 しかし、実寸大模型もジオラマも、まだまだたくさんの余白を残しています。次は実寸大の常設展示を目指して場所と資金の確保を行う地味な活動がしばらく続きます。数年後、ガソリンカーがしっかりと根を下ろす場所を見つけることができたら、残る余白を時には史実で、時には想像で満たしていって、塩江の思い出と未来を象徴するモニュメントにしていきたいと思っています。

 これまでガソリンカー復元実行委員会を支えてくださった方々、特にもうこの世にはいらっしゃらない方も含め、地元の方々とガソリンカーで遊んでくださった学生さんたちに改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。

 ガソリンカーは塩江駅に一旦停車。折り返し運転までしばらくお待ちくださいな。

この記事を書いた人